
人間同様、犬にもカルシウムや鉄といったミネラルが必要です。ミネラルが不足すると体調不良や発育不全などに陥ることもあるので、飼い主がきちんとコントロールしてあげましょう。
今回は犬が摂るべきミネラルについてわかりやすく解説します。それぞれの必要量や欠乏症・過剰症、おすすめの食材などを紹介するので参考にしてください。
犬にはバランスの良いミネラル摂取が必須!

犬の健康には、カルシウム、リン、鉄ほか、12種類のミネラルが必要です。犬はそれらを体内で合成できないため、飼い主が責任を持って食事から摂取させることが求められます。
犬にミネラルを与える際のポイントは「バランス」です。ミネラルの中にはほかのミネラルに作用する種類もあるため、必要量を過不足なく与えるのが望ましいとされています。
例えば、カルシウムとリンはどちらも骨の形成に欠かせないミネラルです。両者のバランスは1:1〜2:1が良いとされています。カルシウムの摂りすぎはリンの吸収を、リンの摂りすぎはカルシウムの吸収を阻害し、骨の形成不全を引き起こす恐れがあります。
そのほか、ミネラルの不足ないし過多は、各種の欠乏症、過剰症のリスクもあるので注意しましょう。
犬が摂るべきミネラルの働きと必要量
犬に必要なミネラルは、以下の12種類といわれています。それぞれの働き、子犬・成犬の必要量をご確認ください。
■犬が摂るべきミネラルの働きと必要量
ミネラル | 働き | 子犬期 | 成犬期 |
カルシウム | 骨の形成、筋肉の弛緩・収縮、神経の伝達などにかかわる | 1.2〜2.5% | 0.5〜2.5% |
リン | 骨格の強化、DNA・RNAおよび細胞膜の構成などにかかわる | 1.0〜1.6% | 0.4〜1.6% |
カリウム | 体液のph調節(塩分の排出)、筋肉の収縮、血圧や心臓機能の調節などにかかわる | 0.6%〜 | 0.6%〜 |
ナトリウム | 体内の浸透圧や水分、pHなどのバランス調節にかかわる | 0.3%〜 | 0.08%〜 |
クロール | 細胞外液の主な構成要素となり、水分量やpHなどの調節にかかわる | 0.45%〜 | 0.12%〜 |
マグネシウム | 心臓機能の維持、骨の形成をはじめ、体内における代謝機能全般にかかわる | 0.06%〜 | 0.06%〜 |
鉄 | ヘモグロビンやミオグロビンによる酸素の運搬、細胞呼吸のサポート(補酵素機能)などにかかわる | 88mg/kg〜 | 40mg/kg〜 |
亜鉛 | さまざまな代謝や酵素機能、ビタミンAの運搬などにかかわる | 100mg/kg〜 | 80mg/kg〜 |
銅 | 被毛の色を作るメラニンの合成をはじめ、さまざまな補酵素機能にかかわる | 12.4mg/kg〜 | 7.3mg/kg〜 |
マンガン | さまざまな酵素をサポートし、細胞におけるミトコンドリアの機能、神経機能、関節軟骨の形成などにかかわる | 7.2mg/kg〜 | 5mg/kg〜 |
ヨウ素 | 甲状腺ホルモンの合成や細胞機能、エネルギー代謝などにかかわる | 1.0〜11mg/kg | 1.0〜11mg/kg |
セレニウム | ビタミンEと協調した抗酸化作用、免疫反応のサポートなどにかかわる | 0.35〜2mg/kg | 0.35〜2mg/kg |
上記の通り、ミネラルは骨の形成や体液濃度の調整、エネルギー代謝など、さまざまな生体機能にかかわります。成長期の子犬の場合、成犬よりも多くのミネラルが必要です。
老犬(シニア犬)のミネラル摂取について
加齢により消化吸収や腎機能が衰えた老犬には、ミネラル摂取について特別な配慮をする必要があります。
例えば、消化吸収の衰えによって不足が心配されるのが、カルシウムや鉄です。骨の形成や血中の酸素運搬がうまく行われなくなり、健康がおびやかされるリスクが想定されます。
一方、腎臓の機能が衰えると、リンやカリウムの排泄がしにくくなるため、これらの過剰摂取にも注意が必要です。各ミネラルの必要量については、個体の健康状態にもよるため、詳しくはかかりつけの獣医師等にご相談ください。
飼い主が注意すべきミネラルの欠乏症・過剰症
犬がミネラル不足に陥ると、食欲不振や貧血、脱水、脱毛など、さまざまな欠乏症になる恐れがあります。また前述の通り、ミネラルには多く摂りすぎるとほかの吸収を阻害してしまうものもあるため、過剰摂取にも注意が必要です。
以下の表では、犬がミネラルの不足または過多によって陥る可能性のある欠乏症・過剰症をまとめました。
■犬のミネラル欠乏症・過剰症
ミネラル | 欠乏症 | 過剰症 |
カルシウム | 骨粗鬆症、低カルシウム血症 | 骨や関節の異常、甲状腺機能の低下 |
リン | 骨の異常、食欲不振、疲れ、発育不全、毛並みの悪化、異食症ほか | カルシウムの吸収阻害による骨や歯の劣化、尿石をはじめとする腎臓の疾患ほか |
カリウム | 食欲不振、筋力低下、血圧上昇、麻痺ほか | 心臓や副腎の機能不全 |
ナトリウム | 下痢や嘔吐、脱水ほか | 高血圧およびそれに伴う各種の疾患 |
クロール | 筋力低下、痙れん、不整脈、てんかんほか | 下痢、排泄不全ほか |
マグネシウム | 食欲不振、不整脈、筋収縮の異常、運動機能の低下、痙れんほか | 皮膚の異常や神経障害、下痢、嘔吐、尿結石、痙れんほか |
鉄 | 貧血、疲れ、食欲低下、発育不全ほか | 嘔吐、吸収障害ほか |
亜鉛 | 食欲不全、皮膚の疾患、脱毛ほか | 下痢、嘔吐、貧血ほか |
銅 | 疲れ、貧血、骨の異常ほか | 嘔吐をはじめとする中毒症状 |
マンガン | 骨の劣化、発育・生殖機能の不全ほか | 神経障害、鉄の欠乏ほか |
ヨウ素 | 甲状腺機能の不全、骨の異常、脱毛、疲れほか | 甲状腺機能の不全 |
セレニウム | 老化、脱毛、生殖機能の低下 | 脱毛、爪の割れ、下痢、嘔吐ほか |
鉄や亜鉛などの摂取には鹿肉ドッグフードがおすすめ!

鹿肉はミネラルを豊富に含むヘルシーな食材です。例えば、酸素の運搬にかかわり、犬の発育や活力に欠かせない鉄は、牛肉の2倍ほど含まれています。生殖機能やエネルギー代謝をサポートする亜鉛も多く摂取できます。
下記の通り、鹿肉は牛肉よりも全体的に高ミネラルです。
■鹿肉と牛肉のミネラル比較
鹿肉 | 牛肉 | |
カルシウム | 4mg | 4mg |
リン | 200mg | 130mg |
カリウム | 350mg | 230mg |
ナトリウム | 58mg | 52mg |
鉄 | 3.1mg | 1.5mg |
亜鉛 | 3.1mg | 3mg |
銅 | 0.18mg | 0.05mg |
マンガン | 0.02mg | – |
(参考)カロリー | 110kcal | 371kcal |
また鹿肉は牛肉よりも大幅に低カロリーであることも嬉しいポイント。消化吸収が衰えた老犬に、効率よくミネラルを摂取させる食材としてもおすすめです。
鹿肉工房では、有名レストランにも卸される美味しくて安全な天然鹿肉を使って良質なドッグフードを製造、販売中。これを機会にぜひお試しください。「天然鹿肉あばら骨」や「天然鹿肉 背骨ジャーキー」など、骨付きの商品ならカルシウムも効率よく摂取できます。
まとめ ミネラルのバランスを意識して愛犬をより健康に!
愛犬に末長く健康でいてもらうためには、食事のミネラルバランスに気を付ける必要があります。それぞれのミネラルが不足したり、過剰になったりしないよう、ごはんやおやつの与え方に注意しましょう。
低カロリーで鉄や亜鉛をはじめとするさまざまなミネラルを効率よく摂取できる食品としては、鹿肉工房のドッグフードもおすすめです。