鹿肉工房ブログ
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「犬に必要な栄養素とは?」犬の食事の栄養バランスについて考えたことがありますか?

家族として共に暮らしている愛犬たち。いつまでも健康で、長く一緒にいるためには、やはり食生活はとっても大切です!犬が健康に過ごすために必要な栄養素は、私たち人間とまったく同じ、というわけではありません。犬にとって何が、なぜ必要なのかを理解しておくことこそ、愛犬の幸せを考える上で最も大切なことと言えるのではないでしょうか?
今回は、犬にとって必要な栄養素について解説していきます!

犬に必要な栄養素

犬が健康な体を作り、維持するために必要な栄養素は、「炭水化物」「タンパク質」「脂肪」。これらを総称して、三大栄養素と呼びます。
さらに、「ビタミン」「ミネラル」が加わることで五大栄養素、そして「水」を加えて六大栄養素とも呼ばれます。これら6つの栄養素は犬の健康維持にとって大切なもの。どの栄養素の名前も聞いたことがありますよね。犬と同様、人間にとっても必要な栄養素たちです。しかし人間はもともと草食寄りの雑食動物、犬は肉食寄りの雑食動物であるため、必要な栄養素の比率が異なることを覚えておきましょう。

まずは、六大栄養素それぞれの働きや、不足した時・摂りすぎた時に生じる問題について解説していきます。

炭水化物

炭水化物は、糖質と食物繊維からなる栄養素です。一般的なドッグフードでは穀類が入っていることが多いですが、この穀類が炭水化物源になります。

炭水化物のうちの糖質は、即効性のエネルギー源として犬が元気に活動するため使われます。つまり、炭水化物が不足すると疲れやすくなってしまいます。しかし、人間と同じように摂りすぎは肥満のもとになるので注意しましょう。肥満は将来の様々な病気につながる恐れがあります。

食物繊維は、体内の消化酵素では分解されません。腸の中をきれいにし、便秘を解消したり消化管を活発にしてくれるはたらきがあります。摂りすぎると、下痢をしてしまったり、エネルギーや他の栄養素を薄めてしまうので、こちらも「ほどほど」が大切です。

安価で満足感がある炭水化物ですが、実は犬にとっては絶対に必要な食べ物、というわけではありません。
でも、市販のドッグフードには炭水化物が含まれていますよね。これは、タンパク質などのそのほかの栄養素を有効活用するためなのだそうです。炭水化物を活動するためのエネルギー源として利用することで、タンパク質をエネルギーの生成ではなく筋肉や臓器を作るために利用することができるのです。

タンパク質

生き物は、体のほとんどがタンパク質を元にしてできています。タンパク質は、毛や皮膚、爪、筋肉、軟骨を作るアミノ酸を供給し、ホルモンや免疫物質の材料にもなる大切な栄養素で、強く丈夫な体を作るために欠かせません。

不足すると、犬の体の成長が遅れたり、体重が思うように増えなかったりという問題が起きます。また、体の機能が低下したり、毛並みが悪くなる原因となるなど、健康にも見た目にも悪影響が…。

ちなみにタンパク質は、摂りすぎた分や、炭水化物が足りていない場合はエネルギー源として利用されます。利用しきれなかった分は脂肪などに変わって体内に蓄積されるので、肥満の原因になる場合も。また、タンパク質を摂りすぎると体内で処理する腎臓に負担がかかりすぎてしまいます。将来、腎臓系の病気につながることがあるので注意しましょう。

タンパク質には、動物性と植物性のものがあります。以前は、植物性タンパク質は犬にとって吸収しにくいと考えられていました。しかし今では、動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランスよく摂るべきとされています。フードローテーションを組むなど、タンパク質の内容を変えなが与えることも大切です。

脂肪

三大栄養素のうちグラムあたりの熱量が最も高い脂肪。犬の体温維持に役立つ栄養素です。また、脂溶性ビタミンの吸収を助けたり、食欲の増進につながるという役割も。

中でも大切なのは、必須脂肪酸を体内に供給すること。必須脂肪酸とは、リノール酸(オメガ3脂肪酸)のことです。これは体内では作れない栄養素なので、食事から供給する必要があります。ちなみに、もう一つの必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸は、犬は体内でリノール酸から転換することが可能。この二つの必須脂肪酸は、バランスがとても大切です。オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸の割合が、2〜6:1になるように供給する必要があります。摂りすぎると、血栓やアレルギーのリスクが高まってしまいます。

そのほかにも、脂肪には臓器の保護や細胞膜の形成といった役割もあります。皮膚や毛皮を美しく保つためにも、適度な脂肪は欠かせません。
不足してしまうと、毛の光沢がなくなりフケの原因に…。皮膚が乾燥してしまい、皮膚炎につながることもあります。さらに、繁殖機能も抑制されます。高温・高湿度で長期間保管されたドッグフードは、脂肪が酸化している場合があるため注意しましょう。

一方で、脂肪を摂りすぎると人間同様肥満につながります。また、急性膵臓炎症という病気のリスクが上がることも覚えておきましょう。脂肪を摂取すると、膵臓から消化のための分解酵素「リパーゼ」が分泌されます。脂肪を摂りすぎるとリパーゼの分泌量も増えるため、膵臓に余計な負担がかかってしまうのです。

ビタミン

ビタミンは、三大栄養素とは違ってエネルギー源として利用されることはありません。おもに、犬の体調を整える役割を担っている栄養素です。
体内では合成できないので、食事から供給する必要があります。

ビタミンには様々な種類がありますが、そのうち犬に必要なのは14種類。水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分かれます。

水溶性ビタミン:ビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸、ナイアシン、葉酸、ビオチン、コリン、ビタミンC
脂溶性ビタミン:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK

おもなビタミンの働きを簡単に紹介します。まず、ビタミンB群は代謝や成長を助ける栄養素。ビタミンAは視覚に作用し、ビタミンDはカルシウムとリンの吸収・利用の調整、つまり骨を作るために利用される栄養素です。その他のビタミンも、それぞれに役割を持っています。しかし注意したいのは摂りすぎ。水溶性のビタミンは過剰に摂取した分は尿などと一緒に体外へ排出されますが、脂溶性のビタミンは体内に蓄積されていきます。中毒や副作用のリスクもあるため、バランスを考えて与えることが大切です。

通常、ドッグフードには必要な水準のビタミンが添加されています。自己判断でさらにビタミンを追加するのはむしろ犬の健康を妨げる恐れがありますので、専門家や獣医師に相談してからにしましょう。

ミネラル

ミネラルも、ビタミンと同様体調を整えるために使われる栄養素です。こちらも過剰摂取や摂取のバランスには注意して与える必要があります。

ミネラルは、グラム単位の量が必要な「主要ミネラル」と、ミリグラム・マイクログラム単位の量が必要な「微量ミネラル」に分けられます。それぞれ紹介していきます。

主要ミネラル:ナトリウム・カリウム・カルシウム・リン・マグネシウム
これらのおもな役割は、体液バランスを調整したり、細胞の一般機能や神経伝達、筋肉の収縮を助けたりといったこと。

中でも、特に重要なものはカルシウムとリンです。骨や歯の構成成分となるカルシウム・リンは、不足すると骨が軟骨化する病気に繋がったり、骨構成が不十分になり弱くなったりといった深刻な問題につながります。大型犬の場合は特に深刻になりやすいので気をつけましょう。骨も歯も、犬の健康にとってとても重要なものです。歳を取っても元気に動ける体、しっかり食べられる歯を作るために、カルシウムとリンが不足しないよう注意してあげたいですね。

微量ミネラル:鉄、亜鉛、ヨウ素、セレンなど
微量ミネラルは量は少なくて良いですが、必要な種類は多いです。おもに、金属結合酵素の成分として必要になります。特に鉄は、血液を構成するヘモグロビン、筋肉を構成するミオグロビンの元になりますので、不足しないよう気をつけたい栄養素です。

生き物が生命を維持するために欠かせない水。犬にとっても同様で、不足すれば死にいたるとても大切なものです。
体液平衡をつかさどる重要な成分で、健康な犬が1日に必要とする水の量は、1日に必要なエネルギー量とほぼ同じと考えましょう。愛犬が安全な水をいつでも十分飲めるようにしておくことが、飼い主としての役割です。
人間が飲むことができる水は、基本的に犬にも与えて大丈夫ですが、硬度が高い水はお腹を壊してしまうことがあります。さらに、硬水はマグネシウムやカルシウム含まれていることが多く、これらのミネラルの過剰摂取の原因にもなります。病気のリスクが高まるので、避けた方がいいでしょう。

不足すると、消化器系、呼吸器系、泌尿器系に致命的な打撃を与えます。具体的には、体内の水分の10%失われると危篤、15%失われると死にいたるとされています。水分不足になる前に、こまめに水分補給させてあげましょう。愛犬がどのくらい水分をとっているか把握できるようにしておくことが大切です。

時期によって必要な栄養素は変化

犬が健康に生きていくために必要な六大栄養素ですが、そのバランスは犬の成長度合によって変化します。ここからは、いつどんな栄養素が必要になるのかを解説していきます。

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成長期(子犬)

犬種にもよりますが、生まれてから 3ヶ月〜8ヶ月ほどがこの成長期に当たります。子犬の間は、犬が体を作っていく大切な時期。栄養をたっぷり吸収し、たくさん遊んでたくさん寝て、大人になっていきます。

この時期は、食事の質がとても大切です。ドッグフードの中でも、子犬用として処方されている製品を選ぶのが好ましいでしょう。子犬用は成犬用のフードより、タンパク質・脂肪・カルシウム・リンなどが多く配合されています。どれも筋肉や骨を作るために必要な栄養素です。

また、子犬は成犬に比べて体重あたりの消費エネルギー量が多いのも特徴。その量は成犬のおよそ2倍とされています。
とはいえ、食べ過ぎには注意が必要!この時期に過剰に脂肪を摂取してしまうと、脂肪細胞の数が増えてしまいます。結果的に、将来太りやすい体になり、体調管理が難しくなる恐れが…。決められた時間に決まった量を与え、エネルギー量や栄養バランスをしっかりコントロールしてあげる必要があります。

成長期の間違った栄養補給

体を作っていく大切な時期である成長期。この時期に摂取する栄養素は、犬の将来の健康にも関係していきます。間違った栄養補給が犬にどのような影響を及ぼすのかをそれぞれ解説します。フードを与える際に思い出してみてくださいね。

・成犬用のフードを与える:子犬は成犬よりも必要なエネルギー量が多いと前述しました。つまり、成犬用のフードではエネルギーが足りず、補うために子犬はフードを食べすぎてしまいます。すると胃腸に負担がかかってしまうので、将来消化器系の病気のリスクが高まります。

・特定のミネラルが過剰:他のミネラルの吸収を妨げ、骨や皮膚の発育不全、免疫の低下、甲状腺機能の低下などを招きます。ミネラルはバランスがとても大切。〇〇に良いから…と特定のミネラルを与えすぎるのは、かえって病気の元になります。

・必須アミノ酸が足りない:発育遅延、免疫の低下につながり、強い体を作れなくなります。さらに毛並みが悪くなったり、筋肉の発達が遅れたりと、見た目や運動機能にまで悪影響が。必須アミノ酸は体内で合成できないので、不足しないよう食事でしっかりと摂取させてあげましょう。

ビタミンやミネラル、タンパク質などの栄養素は、体を作る上でとても大切ではありますが、必要以上に与えるとバランスが崩れてしまいむしろ体に害を与える場合があります。子犬用フードは、子犬に必要な栄養素がすでにバランスよく配合されているもの。ですから、子犬の健康を考える場合は栄養素を添加するのではなく、フードそのものを高品質なものに変えるのが良いでしょう。

成犬期

一般的に、成長段階のうち最も長い期間と言われる成犬期。この時期は、最適な体重と体型、体調を維持することがポイントです。
この時期に六大栄養素をバランスよく摂取することが、犬が一生健康な体を保つためにとても重要です。

成犬用のフードは、タンパク質・ミネラルが豊富に含まれています。必要以上に与えると、腎臓に負担がかかるので注意しましょう。また、飼い主と愛犬の絆を築く上で大切な役割を果たすのがおやつ。喜ぶのでついついあげすぎてしまう、という方もいるかもしれませんが、普段の食事量を考慮してバランスを崩さない程度にしておくのが大切です。愛犬のエネルギー消費量と与えたカロリーの総量を考慮しましょう。ドッグフード以外の食べ物から摂取するカロリーは、1日に摂取するカロリーのうち20%までに抑える、というのが目安です。

また、成犬期は長いので、その間いろいろな問題が生じるかもしれません。例えば、「ちょっと太ってきてしまった」「毛並みが悪くなってきた」「お腹の調子がよくない」などです。これらを解決するために配合されたフードも開発されています。こういった場合にフードを切り替える時は、いきなり別のフードに完全に変えてはいけません。それぞれのフードは原材料や含まれる栄養素が異なるため、いきなり切り替えると犬はお腹を壊したり内臓に負担をかけてしまいます。それまで与えていたフードに新しいフードを少しずつ混ぜ、徐々に時間をかけて切り替えていきましょう。フードの切り替えには、大体7〜10日かける必要があります。

老犬期

老犬期に気をつけることは、基本的には成犬期と同じと考えて大丈夫ですが、特に大切なのは適正体重の維持です。というのも、犬も人間と同じで歳を重ねると太りやすくなったり、反対に痩せすぎてしまったりすることがあるため。適正な体重を維持することで、健康で元気な体を保つことができます。

老犬期には、それまでとは違う様々な健康上の問題が出てくることがあります。よくある問題とその対処法について、まとめてみました。

・食欲が落ちる:老犬期になると、嗅覚や味覚が衰えることで食欲が落ちる犬が多いです。痩せすぎや、栄養の不足の原因になってしまいますよね。この場合は、嗜好性が高いフードを選んであげると良いでしょう。もともと肉食寄りである犬の場合、肉の匂いを好む場合が多いです。野生動物の肉を使ったフードや骨、トライプ(草食動物の胃袋とその内容物)などを試してみると良いかもしれません。

・タンパク質の処理能力が落ちる:腎臓の機能が衰え、タンパク質が処理しづらくなった犬には、タンパク質の量を減らします。とはいえタンパク質は健康な体を維持するために必須な栄養素。そこで、高品質のタンパク質を摂れるフードを選んであげることが大切です。

・太りやすくなった:人間がメタボリックシンドロームになってしまうように、犬も太りやすくなります。老犬期に太ってきてしまった場合は、低カロリーかつ食物繊維が豊富なフードを選びましょう。ただ食物繊維は一気に摂りすぎるとお腹を壊しやすくなってしまうので、少しずつ分けて与えると良いですよ

・体重が減少してきた:先ほどとは逆に、歳をとるにつれどんどん痩せてきてしまうという犬もいます。その場合は、食欲が落ちた時同様まずは嗜好性の高い食事を与えてみましょう。また、カロリーもそれまでより高めのフードにします。高カロリーの食事は消化系に負担をかけやすいので、一気に与えないようにするのが大切です。

・消化器官が衰え、代謝機能が落ちてきた:歳をとって消化が悪くなったり、代謝が悪くなったりしてきた場合は、ビタミンを補給することで解消につながることがあります。ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンEを多めに配合しているフードを選びましょう。

ドッグフードが合わない時は

市販のドッグフードは、基本的に犬の健康に必要な栄養をを賄えるようバランスよく配合されています。しかし中には、ドッグフードが苦手であまり食べてくれない子や、アレルギー体質でなかなか体に合うフードを見つけられない子もいますよね。

そこで最近注目を集めているのが、鹿のお肉を使ったフード。鹿肉のドッグフードは、もともと肉食寄りの犬たちにとって嗜好性が高く、アレルギーの心配も少ないことが特徴なんです。野生動物である鹿は筋肉量が多いため、寄生虫や細菌も少なく安心であることも、選ばれている理由の一つだとか。

また、鹿肉は低カロリー・高タンパクな上、不足しがちな必須脂肪酸も豊富に含まれているため栄養面でもメリットが。健康的なダイエットとしても最適で、成長期・成犬期・老犬期どのステージでも食べさせることができる食材です。

一般的な、牛・豚・鶏の肉から作られたドッグフードと比べ、まだ流通量も少なく値段も高いというイメージを持たれがちな鹿肉のドッグフード。最近では徐々に扱うメーカーも増え、商品バリエーションも広がってきています。もし普段のドッグフードが合わない、栄養面が心配、などの悩みがあれば、一度鹿肉のドッグフードの利用を考えてみるのもおすすめです。

大切なのは、ライフステージに合わせた栄養バランス!

犬にとって必要になる栄養素と、いつどのような栄養素が必要になるのかを解説してきました。犬は、時期によって必要な栄養素が大きく変化していきます。でも、いつでも大切なのはそのバランス。それぞれの時期に合わせたフードを正しくあげることで、いつまでも健康で元気な体を維持することができます。そのバランスを考えてあげるのは飼い主の大切な役目。長く愛犬と幸せに過ごすために、日頃から常に栄養バランスを考えてあげたいですね。

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