鹿肉工房ブログ
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犬のシニア期に気をつけたい「筋肉をつける食事」

今回は、犬の筋肉についてのお話です。中でも、シニア期に差し掛かった愛犬、また、老犬と呼ばれる時期に大切な「筋肉をつける食事」についてフォーカスします。

筋肉隆々、細マッチョ、ガッチリ体型などと呼ばれていた愛犬も、年齢を重ねるにつれ、その筋肉量はだんだんと少なくなってくるもの。老犬とは呼びたくないし、そんな風には思ってもいないけれど、知らず知らずのうちに忍び寄る老いを考え、健康なうちからその準備をする必要があります。

特に気を付けたいのが、シニア世代の筋肉の衰えについて。老犬は、若い時代とは違って、ガンガン運動をして…というわけにはいきません。良質な栄養を基本とした日々の管理が大切です。では、その内容はどんなものかを、見ていきましょう。

人と犬、筋肉の話

筋肉をつける食事、について触れる前に、まずは、人と犬の筋肉の付き方についてお話しをします。人と犬の筋肉の付き方は良く似ており、その構造や役目があまり変わらないとしてよく知られています。しかし、人が直立二足歩行をしているのに対し、犬は四足歩行(しそくほこう)ですから、力を入れるバランスに違いがあります。

直立二足歩行により、両腕が自由に動くようになった私たち人は、上方向に腕を持ち上げるための、僧帽筋(そうぼうきん)や三角筋(さんかくきん)などが発達しています。対して犬は四足歩行ですから、上体を支えるための胸筋(きょうきん)や、長距離を走るために必要な、広背筋(こうはいきん)や臀筋(でんきん)などが発達しました。大きく違うのはそうした部分で、他はそんなに違いがありませんから、犬の筋肉を考える時には、おおまかには、私たち人と同じようなイメージを持つと分かりやすいでしょう。

筋肉の役目

次に、筋肉の持つ役割について見てまいります。

1.体温を調節する

寒さを感じると、犬もブルブルと体をふるわせます。これは、筋肉による体温調節機能で、脳からの指令によるものです。筋肉をふるわせて血管の収縮を行うことにより、熱エネルギーを作って、体温そのものを上げています。

2.血液を循環させる

ふくらはぎの筋肉は、下腿三頭筋(俗にひらめ筋とも呼ばれていますね)といい、第二の心臓として有名です。この筋肉のように、筋肉を縮ませることで血管を圧迫し、血液を押し上げて心臓に血液を送るといった、まるでポンプのようなはたらきをしています。

3.骨を強くする

骨と筋肉の関係はあまり知られていませんが、実はお互いに密接な関係にあります。これまでの研究により、運動で骨に負荷がかかると、弱マイナスの電気が発生し、カルシウムを呼び寄せることが分かっています。

さらに、筋肉をつけることで骨密度を高めます。骨も皮膚や筋肉同様に、代謝を繰り返しながら新陳代謝をしていくので、筋肉を付ければ骨の代謝も高めることができます。

筋肉の衰えについて

筋肉は、合成と分解を繰り返しながら、日々、その量が変動しています。シニア期では、加齢による筋肉の合成能力が低下していくため、そのバランスが保てなくなり、筋肉量がだんだん減少していきます。

筋肉量が低下すると、骨や関節といった運動をサポートするための力が衰え、日常生活に支障が見られることが多くなります。具体的には、骨粗しょう症や腰痛、膝関節炎、慢性関節炎などがあり、症状が悪化すると、介護が必要になり、寝たきりになってしまうということも。

筋肉(骨格筋)はそれ単独で動いているわけではなく、関節や骨、神経と連携を取り合いながら体を動かしています。そのため、どれかひとつでも異常が出ると、バランスが崩れ、ほかの部分へも影響が及びやすくなります。

老犬、シニア期になっても健康で過ごすコツとしては、たびたび問題になる肥満の他、この筋肉(骨格筋)についても、気を付ける必要があります。骨や関節と比べて筋肉は細胞の分解合成が早いため、「筋肉」の維持についてがこの年齢ステージでのカギ、と言えるでしょう。

犬のシニア期について

一般的に犬がシニア期を迎える年齢は、およそ7歳前後からと言われています。以前に比べて目に輝きがなくなったかも?とか、ハアハアとすることが多くなった。また、寝ている時間が増えたり、耳が遠くなったかも?と感じるのも、だいたいこの時期からが多いようです。

動物医療の発展や、ペットフードの改良。また、ペット保険など、ペットを取り巻く環境が、より家族化したことで、犬の寿命は年々長くなってきています。

だからこそ、シニア期に大切にしたい栄養。犬は食べるものを自分で選ぶことができないため、飼い主さんのチョイスのひとつ、ひとつが、犬の健康を司っていると言っても過言ではありません。

シニア期に意識したい食事

筋肉の大事さを改めて感じていただけたところで、本題である、シニア期における食事について、筋肉増加の部分にフォーカスしてお話を進めてまいります。

シニア期の食事は、特に気を配ってあれこれ選ぶ、と言う方も多いでしょう。老犬の筋肉維持には良質のタンパク質を与えることが大事とされています。また、体をサビつかせないために、抗酸化食品を積極的に取り入れ、オメガ3脂肪酸などを摂取させたいですね。

歩くスピードがゆっくりになった、足がもつれやすくなった、段差でつまずきやすくなったなどの場合は愛犬の足腰が弱まっているサインですから、これらの他に、グルコサミンやコンドロイチンなども意識して取り入れ、筋肉や骨をつなぐ役割をする関節をケアしてあげたいものです。

筋肉をアシストするタンパク質

タンパク質は血・骨・筋肉・被毛を作る大切な成分です。タンパク質はアミノ酸から作られていて、その種類はなんと22種類。私たち人を含む哺乳類の生命活動にはこれらすべてのアミノ酸が役割を持っていますが、このうち10種類は体内で作ることができないため、食事から摂取する必要があります。

タンパク質の種類は大きく分けて2種類。「動物性タンパク質」と、「植物性タンパク質」があります。動物性のタンパク質は、ホエイ、カゼイン、卵白などが代表的なものです。植物性タンパク質は、大豆、小麦などがよく知られています。

犬は、雑食性に近い肉食動物です。アレルギーなどに十分な配慮をしながら、できるだけ多くの動物性タンパク質を摂取する必要があります。幼い犬も、若い犬も、老犬になっても、変わらず良質のタンパク質を取り入れることで、代謝を促し、強い免疫力を保持してくれます。

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タンパク質のバランス

タンパク質は筋肉、臓器、遺伝子、皮膚、毛など、体のあらゆる部分に働きかける、大事な栄養素です。しかし、過剰摂取や、不足すると、どのようになるのでしょうか。

不足すると

タンパク質が不足していると、体の健康を維持できなくなってしまうことあります。特に老犬では、毛艶などがなくなり足腰が不安定になります。全体的に弱々しくなり、エネルギーが行き渡らない 状態になるため、免疫機能の持つバリアが破れやすくなります。

過剰に摂取すると

タンパク質を消化するためには肝臓や腎臓の働きが欠かせません。そのため、たんぱく質を過剰に摂取し続けると、それを消化させるのに関わっている内臓全般が疲れ、ダメージを受けてしまう傾向にあります。

タンパク質と脂質は消化することでエネルギーとなるため、タンパク質を過剰に摂取することは、カロリーオーバーにもつながり、引いては肥満の原因になることもあります。

さらに、タンパク質を過剰に摂取し続けるすることで、尿結石の原因となるケースも。動物性タンパク質にはシュウ酸が含まれますが、たいていは体内でカルシウムと結合した後、排出されます。しかし、そのバランスがうまくいかずカルシウムと結合できなかった場合は、シュウ酸は尿中のカルシウムと結合して結石の原因になります。何ごともバランスが大事ですね。

シニア期のおすすめ食材

魚介類

良質なタンパク質やカルシウム、DHAやEPAを含む魚介は、シニア期に必要な栄養素が豊富に詰まっています。ただし、愛犬ののどや器官を守るために、大きな骨はもちろん、小骨を丁寧に抜き取る作業が必要です。また、塩分は要チェックしなければならないポイントです。

はちみつ

栄養価が高いことで知られるはちみつ。太古の昔から、滋養維持やパワーの源として重宝されてきました。犬の味覚は人と違い、甘味を感じる味蕾の受動部分が最も発達しているため、食欲が落ちた際に、少しずつ取り入れてみると良いでしょう。はちみつには様々な種類があり、その中でも、マヌカハニーやオーガニック仕様のものなど、天然に近く、人工的な甘味を加えていないものをチョイスしてみてください。器官が細くなりがちなシニア期では、咳止めとしての効果も期待できます。

鹿肉

鹿肉は高タンパク、低脂肪、低カロリーな食品として知られていますが、その他の栄養素も豊富であることから「スーパーフード」と称される良質な肉のひとつです。鹿肉に含まれる成分には、以下のようなものがあります。

・鉄分

・亜鉛

・カリウム

・高たんぱく

・低脂肪

・低カロリー

・ビタミンB2

・ビタミンB3

・ビタミンB6

このような栄養素がたくさん含まれる他、鹿肉には、他の獣肉にない不飽和脂肪酸「DHA」が含まれています。中性脂肪の低下や悪玉コレステロールを減らし、血液をサラサラにする効果があると言われますから、ぜひシニア期に取り入れたい効能です。この必須脂肪酸であるオメガ3系不飽和脂肪酸とオメガ6系不飽和脂肪酸がバランスよく含まれているのが、鹿肉の特色でもあります。

このバランスがどちらかに偏ったまま脂肪酸を摂取し続けると、動脈硬化といった生活習慣病、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患のリスクが高まるとされていますから、その意味でもバランスの良い肉なのですね。

鹿肉で注目したい栄養素がもうひとつ。それは「アセチルカルニチン」です。機能性アミノ酸であるアセチルカルニチンは、体内の脂肪燃焼に深く関わり、欠乏すると脂肪をためこみやすい体質になってしまいます。そのアセチルカルニチンの含有量については、豚肉や鶏肉ではほとんど含まれず、鹿肉には牛肉の2倍近くも含まれていることが分かっています。

また、不足しがちな鉄分もたくさん。鹿肉には豚肉や鶏肉の約5~10倍含まれていますから、良質なたんぱく質をたっぷりと取りたいシニア期に摂取して、筋肉ダメージを回復へ導きたいですね。

老犬、シニア期の必要水分量

生命維持のためには、水分補給がマストです。しかし、人と同じように、年齢を重ねた老犬は、水分が不足がちになる傾向があります。1日に必要な量の水分を摂取し、脱水症や便秘、膀胱炎に備えましょう。

犬が一日に必要とする水分量は、小型犬で150ml、中型犬で500ml、大型犬で1000mlがおおよその目安です。(個体差があります)一般的に体重の0.75乗×132の計算で算出できるとされているようです。夏の暑い時期などは水分量を増やす点も、人と同じですね。

水分バランスが崩れるとどうなるか

水は、栄養をくまなく全身に巡らせる働きを持っています。ですから、水分が不足すると内臓や脳の働きの低下を招き、細胞や筋肉、骨が弱くなってしまいます。特に体力のない老犬にとっては、重篤な症状を引き起こしてしまうことも。

食欲のないときには、ヤギミルクやホエイパウダー、肉のうまみを引き出したスープなど、芳醇な香りを使って老犬の食欲スイッチを入れる方法があります。また、少しテクニックが要りますが、給餌用のシリコンスプーンや、針を付けていない状態の注射器(シリンジ)を使って、老犬の口の脇から流し込む方法があります。ただし、これらを行う際は、誤嚥、誤飲に最大の注意を払うことが必要です。できれば獣医師や専門家のもとで指導を受けることをおすすめいたします。

まとめ

さて、いかがだったでしょうか。今回は、シニア期、老犬の「筋肉をつける食事」についてフォーカスしてきました。医食同源という言葉があるように、人と長い歴史を一緒に過ごしてきた犬もまた、食べることで健康を維持しています。

残念ながら、犬の寿命は人よりも短く儚いものです。しかし、できればいつまでも若い体と心でいてもらいたいのは、飼い主みなさんの願いではないでしょうか。きれいな毛艶、輝く瞳、張りのある筋肉。そうしたものに欠かせないのは、やはり毎日の食事です。

家族であり、パートナー、兄弟、親子、バディ。そうした存在である愛犬の健康を担っているのは、他でもない飼い主さんです。良質な食材を与え、人も愛犬も、元気に年を重ねていきたいですね。

理想の若さを保つために大事なのがタンパク質。その中でも、自然の草花・樹木を食べ、大自然を駆け巡って育った野生の鹿のパワーを上手に取り入れられれば、愛犬の筋肉や他の臓器をアシストしてくれます。

自然からの恵み、命を大切にいただき、愛犬の健康をサポートしながら、自然の生態系を守ることに少しでも寄与できたらという想いから作り出された「鹿肉工房」のドッグフード。これらは、徹底した衛生管理のもとで、ヒューマングレードの製品として、皆様のもとへお届けしています。

老犬、シニア期世代を健康に乗り切るために、ぜひ、「鹿肉工房」の豊富なラインナップを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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